2010年2月16日火曜日

こにメモ「大阪船場」:映画『ぼんち』


大阪の船場を題材にした小説や映画は沢山あるんですが、
その中でもお薦めしたい一本がこちらです。


『ぼんち』(1960年)

監督:市川崑
出演:市川雷蔵・中村玉緒・若尾文子 他

[ストーリー]
放蕩を重ねても、帳尻の合った遊び方をするのが大阪の“ぼんち”。
古い暖簾を誇る船場の足袋問屋「河内屋」の一人息子喜久治は
「ぼんぼんになったらあかん、ぼんちになり や。男に騙されても女に騙されてはあかん」
という死際の父の言葉を金科玉条として生きようと決意する。
喜久治の人生修業を中心に、彼を巡る女達、船場商家の厳しい家族制度、特殊な風習を執拗なまでの情熱をこめて描かれた長編。

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「ぼんち」とはザックリ言うと、甲斐性のある「ぼんぼん」のことです。
時代は明治中頃の繁栄期から戦後の衰退にかけて描かれています。

代々、婿を取って「暖簾」を引き継ぎ、
家の実権を奥内が握るいわゆる女系商家の濃密な雰囲気のなかで、
心理的に抗いながらもひょうひょうと生きていく船場の「ぼんぼん」の半生。

厳しい作法やしきたり、そして家族関係が何とも独特で
現在の大阪とあまりにもかけ離れていいて、初めて見た時はかなり衝撃的でした。




この映画の主人公である喜久治を演じるのは、
1960年代を代表する銀幕スターの一人であり、
勝新太郎とならぶ「大映」の二台看板役者、市川雷蔵。

艶麗ということばが相応しい昭和の名役者です。
特に眠狂四郎シリーズのニヒルな美剣士は一番のハマり役です。
しかし、雷蔵は37歳という若さで癌に倒れ、惜しまれながらこの世を去ってます。
その短い人生のなかで、出演した映画の数はなんと159本!
これは脅威としか言いようがないですね。

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『大雷蔵祭』 http://www.dairaizosai.jp/index.php
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その他にも劇中には若尾文子、中村玉緒といった大女優陣もめちゃくちゃ綺麗で初々しくて、ストーリーとは別に見ているだけでも充分に楽しめることと思います。

使われているセリフはもちろん大阪弁ですが、
語尾に「〜おわす・〜ごわす」などといった、
現在の大阪では聞き慣れないフレーズ、いわゆる「船場ことば」が所々に垣間みれます。

その中でも山田五十鈴(母親役)の言葉や話し方は、もっとも船場の感を醸し出しているように思います。




まずはビジュアルで認識してもらってから、
原作の『ぼんち』を読んでいただくと、さらに面白さ倍増です。
ご興味ございましたら、ぜひご覧ください。

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